風力発電は今後どの程度まで普及するのか?気になる洋上風力の行方は?(GX/脱炭素トピック)

山の上などで風車が回転している様子を見かける風力発電は、再生可能エネルギーの1種であり、同じく再生可能エネルギーである太陽光発電とは発電出力の変動の仕方が異なることから、カーボンニュートラルを実現していく上では、どちらの電源も普及していくことが重要であるとされています。
風力発電には、陸に設置する陸上風力発電と、海に設置する洋上風力発電があります。
では、風力発電は今後どの程度増えていく想定なのでしょうか?
以下の表は、2022年、2030年、2040年での電源構成を示したものです。
資源エネルギー庁の予測では、2022年時点では、風力発電の電源全体に占める割合は、0.9%ですが、2030年では5%、2040年では最大8%程度まで増加していくことが想定されています。


この約10年単位での増加率は、これまで開発が進められていた陸上風力発電のみでは到底到達することができない水準になっています。
一方で、カーボンニュートラルを進めるためには、再生可能エネルギーの普及を上表のようなペースで進めていく必要があり、これを解決するための有力な手段の一つとして認識されているのが、洋上風力発電の開発です。
洋上風力発電は、海上に風車を浮かべる工法や、海底の基礎に固定する方法で設置されますが、この際に必要となる風車や基礎に関連する部材は国内ではほとんど生産されておらず、海外からの輸入に頼っていることから、昨今の円安と物価高によって事業採算性が悪化し、三菱商事などの大手企業も昨年に洋上風力発電の開発プロジェクトから撤退しています。
そうした中、JFEエンジニアリング(株)が国内で初めて、洋上風力発電の基礎部材である、モノパイルを製造し、初品を完成させたとのリリースがありました。
国はエネルギー安全保障の観点からも、洋上風力発電を安定的に開発できるように、風力発電に関連する部材の65%を国内産に切り替えることができるように、国内産業の活性化を図っており、そうしたなかでJFEエンジニアリング(株)の実績は、今後の国産風力発電の流れに弾みをつけてくれそうな好事例であると考えられます。
洋上風力はGXや脱炭素の観点からも重要なトピックであることから、引き続き、弊社でも国内産部材の拡大動向を追っていきたいと思います。
弊社の支援実績はこちらからご覧いただけます。
【参照資料】
- 2025年、日本の洋上風力発電~今どうなってる?これからどうなる?~(資源エネルギー庁)
- 2030年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)(資源エネルギー庁)
- 2040年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)(資源エネルギー庁)
- 国内初、洋上風力発電向け基礎「モノパイル」国産初品が完成(JFEエンジニアリング)
この記事を書いた人

- SMBDパートナーシップ株式会社代表
-
GX/脱炭素と新規事業創出の専門家として、企業の支援を行う。大学卒業後はシャープグループにて300MW以上の太陽光発電所の建設/開発に従事。
その後、デロイトトーマツコンサルティングにて中央官庁や地方自治体の地域脱炭素政策を支援。
令和7年度からは兵庫県カーボンニュートラル支援専門家としても登録。社会人大学院にて新規事業構想を研究。これまでの経験を活かし、企業のGX/脱炭素化の伴走支援を通じて、持続的に発展可能な社会の実現を目指している。
【委員等活動】
カーボンニュートラル支援専門家(兵庫県)
【所有資格】
環境省認定制度 脱炭素シニアアドバイザー
第3種電気主任技術者
事業承継・M&Aエキスパート






